【Title】: カタハネ | 【ブランド】: Tarte(タルト) | ||
【ゲームタイプ】:AVG | 【発売】: 2007/01/26 | ||
【属性】:ツンデレ・姉系・妹系・幼馴染 | 【種別】:感動系・純愛系 | ||
【スタッフ】 ■原画: 笛 ■シナリオ: J-MENT 【体験版】DLはこちらへ ⇒ 体験版 【デモムービー】カタハネ デモ 【Amazon】カタハネ 【参考】カタハネ 攻略 ※管理人追記 ”カタハネ”を制作したブランド”Tarte”は倒産によりサイト消滅しています。ゲームそのものはまだ通販やショップで販売していますが、サポート関連はりぺあ様で修正ファイルの入手を。体験版等は上記リンクから入手するといいでしょう。また、旧Tarteスタッフによる新ブランドも近々誕生するようです。これについては当サイトブログ記事を参照して下さい⇒こちら |
【キャスト】 ■アンジェリナ・ロッカ : 安玖深音 ■ベル : 五行なずな ■ココ : 成瀬未亜 ■ワカバ・フォーレ : 佐本二厘 ■セロ・サーデ : かわしまりの ■ライト・フォーレ : 佐本二厘 ■クリスティナ・ドルン : 安玖深音 ■エファ : 五行なずな ■ココ : 成瀬未亜 ■アイン・ロンベルグ : 富士爆発 ■デュア・カールステッド : 三咲里奈 ■ヴァレリー・ジャカール : 加藤一樹 |
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【Gamer's Square月別人気・不人気投票データ】 | |||
【人気投票率】: 41票/5.0% | 【地雷投票率】: 1票/0.6% |
【レビュー】 | 【執筆】: 空 さん | ||
【シナリオ】 | 【評価】: 88 点 | ||
(ストーリー紹介) パッケージの紹介文では内容がほとんど見えてこないと思いますし、コミカル過ぎるように感じられてしまう ような気がするので、各編の後ろに自作で紹介文を書きました。なお、核心部には触れていません。 【クロハネ編】 ※パッケージ裏面から ココは自分が人形であり、クリスティナ姫や美しい羽の人形・エファと共に『天使の羽ばたき』という劇を することなどを知ります。 やがて、お姫様やエファと練習を重ねた『天使の羽ばたき』のリハーサルを迎えますが――この劇には、 誰もが予想しない……大きな陰謀が隠されていたのでした。 ※自作 シロハネ編よりも数百年から数千年昔のお話で、貿易業で成り立ち軍事力の優れる「青の国」、それに大きく 隣接する資源豊かで広大な土地とそれに似合った人口を持つ「赤の国」があり、そして今作の舞台となるのが 「白の国」で両国の平和を祈念し国境部に作られ、人形技術に優れた国です。 安定しない「青の国」と「赤の国」の情勢の中、国境地帯で新たに見つかった鉱脈を自国の領地であると互いが 主張を始め情勢がさらに悪化します。 2国の情勢が悪化すれば、その中心に位置し軍事力が乏しい「白の国」は巻き添えを食らう可能性が高く、3国 共同で執り行われる記念式典とその中で上演される劇『天使の羽ばたき』に動向が注目されます。 【シロハネ編】 ※パッケージ裏面から セロが白銀の村へココを連れて行く目的はココのメンテナンスですが、同行するワカバは勢いでエントリー してしまった演劇祭のため、脚本を書きながら各地で役者を探そうと画策中。 それはいわくつきの悲劇『天使の導き』と全く正反対のハーピーエンド版というトンデモな内容。 不安を抱えながらも、偶然か運命か、主役にふさわしいアンジェリナやベルを見つけて大はしゃぎ。 劇を成功させることができるのでしょうか? 過去から未来へ―――――カタハネの物語が、今始まる。 ※自作 初めはココのメンテナンスに同行という形でワカバはセロとココ(人形)ちょっとした旅に出ますが、ココの調律師で あるレイン師に投資の話を持ち出し、その条件として「舞台となる都市を自身の目で見てくること」と「役者は全て 自分の力で集めること」を言い渡され、ちょっとした予定の旅が大きいものになります。 ワカバの考える劇『天使の導き』は「白の国」の摂政であるレインは”いい人”というコンセプトでしたが、 現代においてレインは、白の国で長年「忠義の人」を演じつつ、裏で赤と青の国に戦争をおこさせようと画策し、それ が失敗に終わったことで主君であるクリスティナ姫を暗殺した”逆賊”として悪名高い人物として扱われていました。 「レインはいい人」と信じるセロとワカバ その裏付けを探す旅 そして、唯一過去から現代まで生き続ける人形・ココのお話です。 |
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(コメント) 【シナリオ】90点 現代であるシロハネ編から始まり、中盤でクロハネ編、そして再びシロハネ編に戻る形で、3周することで完結し プレイヤーに対して全ての謎が解けるようになっています。 主人公という観念はなく、次々と視点キャラが入れ替わり話が進んで行きますが、時間は常に進んでいる為、 同時間帯に他のキャラの動きや思考が分かるというものではありません。 ―クロハネ編― 1週目に寛容が、3周目に真実が語られます。(2週目ときは全体をスキップできます) 後から体験版がクロハネ編であったことを知ったのですが、1週目のシナリオが既読に設定できるので、 その部分が使われたのだと思います。 6時間程度で綺麗にまとめられていますが、シロハネ編よりも完成度が高く、「白の国の悲劇」と「クリスティナ姫と 人形・エファの恋」がじっくり描かれています。 ―シロハネ編― 行動グループが変わることでシナリオに変化が出てきますが、3周とも旅の経路など大きな違いはありません。 3周もプレイすることで新たに気づけることも多いのですが、内容的には2周にまとめられたように思います。 シリアスで暗い部分は後半の一部しかなく、終始和やかな雰囲気で旅の様子が語られます。 和やかな中にも喜怒哀楽がしっかりと描かれ、どのキャラもひと夏の旅の中で恋以外の部分でも大きな成長を 感じることが出来ました。 みんな相手のことを考えられる良い人なのですが、親切同士の行き違いで小さなトラブルが起きたりと他の 作品では少ない掛け合いを見ることができます。 旅の途中で出会いがあり、ワカバが劇への出演を依頼することで旅仲間が増えていきますが、仲間が増えることに 無理やりな内容がないですし、出演する気になるきっかけなども深く描かれています。 主人公がいないこともあり、複数のカップルが誕生し内容的にはかなりハッピーですが、話の中心となるのは 劇でクリスティナ姫を演じることになった「アンジェリナと人形・ベルの恋」です。 クロハネ編もですが、お互いを愛し合うようになることを、立場が違う上に初めましてで思いもしなかった状態から、 互いに魅力を感じて距離が近くなる様子が面白くよく伝わってきます。 終盤になると突然ペースが速くなり、これはまた別のストーリー的な扱いで終わってしまうのが残念です。 あと、ベルは演劇に対して目標を持って旅をするのですが、結局達成できたのか演出が微妙でした。 【キャラクター】85点 いわゆる萌えを重視したキャラはいません。 名前のあるキャラが、クロハネ編が8名、シロハネ編が14名と多く、舞台に合わせた設定でココ以外はミュージカル や演劇に出てきそうなキャラがそろっています。 特に印象が強かったキャラの感想です 「アンジェリナ・ロッカ」 いかにも演劇を目指しているという風格のある気が強い女の子ですが、普段と劇中の雰囲気が違い キャラが出来ています。女の子に対してツンデレするのが新鮮でした。 安玖深音さんのイメージに合わないキャラですが、どんな役でも演じてしまうんですね。凄いです 安玖深音さん演じる知っているヒロイン:朝霧麻衣、エミリー・ウィンスレット、三瀬綾菜 他に、「遥かに仰ぎ、麗しの」「群青の空を越えて」「はぴねす!」などのヒロイン役 クロハネ編のクリスティナ・ドルンも同声優 「ココ」 上記の通り、彼女がクロハネ編時代から唯一生きている人形で、主人公が誰かと聞かれたら彼女になるように思い ます。物語の中で理由が少し説明されますが、セリフを区切り区切り話すのが特徴で、萌えや毒舌とはまた違い 面白いです。 「ワカバ・フォーレ」 作家を目指す元気な女の子で、シロハネ編の物語を広げた張本人でもあります。 セロのことが好きという設定なのですが、そこについての彼女の過去の話などあればよかったです。 「ハンス・ブラント」 クロハネ編から一人 ”目立たない存在”という設定ですが、演出の上手さでプレイしている側からは強い印象が残っています。 つい応援してしまうようなキャラでした。 【演出】90点 独特ながら作りこまれた雰囲気は演出作品と言える出来だと思います。 シナリオとグラフィックを主に演出の工夫も書いたので省略します |
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【システム】 | 【評価】: 95 点 | ||
■システム(機能) ・Hシーン回想 ・CG回想 ・ボイスカット・個別調整 ・エフェクトカット・調整 ・メッセージ速度調整 ・オートモード・速度設定 ・未読スキップ ・バックグラウンドでの動作 ・ジャンプ機能(シーンスキップ) ・サムネイル(セーブ/ロード画面) ・ウィンドウモード(800x600) ■システム(コメント) プレイ自体はし易かったですし、重くもなかったのですが、システムの変更が分かりにくいように感じました。 右クリックでセーブやロードなどの選択画面になるのですが、右下や上からもワンクリックで専用画面に行けますし、 スキップやオートの右クリック割り当てが欲しかったです。 そのオートも他をクリックしてしまうと止まってしまう上に、キャラの視点切り替え時はクリックかホイールを 手前に回さないと先に進まないのでオートの利点が半減してしまいます。 テキストの文字体を変えられますが、ここにもこだわりがあるようで、8種類もあるのに普通のゴシックがないのは どうかと思いました。 回想の方は、OPのムービーが素晴らしいのにムービー付きでの鑑賞はできません。 攻略は簡単なのでクイックセーブ&ロードがないのは問題ないかと。 気になるのはこれくらいで、安定感はありますし悪くはない方だと思います。 |
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【サウンド】 | 【評価】: 93 点 | ||
【ボーカル曲・BGM】95点 ボーカル曲は主題歌であるオープニングとクロハネ編・シロハネ編ともにエンディングがあり計3曲です。 Ritaさんが歌う主題歌「Alea jacta est!」はムービーでも描かれますが、自然の広がる中を走る列車のような 疾走感のある曲で、Ritaさんの歌が悪い訳ではありませんが、カラオケバージョンの方は特に好きになりました。 BGMはシロハネ編に15曲、クロハネ編に19曲、合計34曲です。 同じ音楽ソフトで作ると似たような曲が多くなるように感じるのですが、この作品にはそれが当てはまりません。 ピアノをベースにしたものバイオリンをベースにしたものなど場の雰囲気に合わせ個性が出ています。 他のゲームよりも音量を上げてゲームを楽しめましたし、音質も良い方だと思います。 サウンドトラックを欲しいと思わせる内容でした。 【声優】90点 キャラの項目でも書きましたので簡単に クロハネ編では男性キャラも多いですが、イメージと合う方がそろっていましたし、舞台の雰囲気作りに 声優さんの好戦は大きかったと思います。 気が強い女の子と弱目の男性キャラがいたからでしょうか、声の大きさに差が大きかったのが気になりました。 |
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【グラフィック】 | 【評価】: 95 点 | ||
人物CGはクロハネ編が34枚、シロハネ編が93枚で、差分なし計127枚です。(実用シーンCGは20枚程度) 特に後半のシロハネ編では欲しい場面でガンガン出てきますし、この物語なら納得の絵です。 残念なことは顔の表情以外の差分が極端に少ないことですが、実用シーン以外はほとんど気になりませんでした。 公式HPは存在しないので、ミラーサイトや販売サイトで紹介されているサンプルCGかパッケージ裏をご覧ください。 シロハネ編では旅をするため常に場所が変わりますが、移動するたびに背景CGが変わり 雰囲気を作り上げています。背景CGは数えられませんが、100枚近くあったのではないでしょうか。 写真のように綺麗とは言えませんが、立ち絵との調和はぴったりのように思います。 CG使用以外の場面では、中心となる人物が立ち絵となり、それ以外の人物は顔のみが画面に表示されます。 いいイメージが湧かないかも知れませんが、これはこれで良い演出だったと思います。 テキストウインドウは下から4分の1くらいが完全な黒画面になっているので、CG表示画面はワイド型になっており (16:9らしいです)大きく描かれたCGは視点を動かして見せるなどの工夫があります。 CG全体と一部を拡大し映す行為を繰り返す演出が多いのが印象的でした。 これも一つのこだわりでしょうか、話している人物の名前が画面のどこにも表示されません。 クロハネ編では同じくらいの年の男性キャラが3人いますので、声を早めに覚えて進めるといいと思います。 オープニングのムービーはシロハネ編の舞台を中心に旅の様子をアニメーションも使って表現しています。 |
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【実用関係(グラフィック、他含む)】 | 【評価】: 97 点 | ||
■実用(シーンの種類) ・ラブラブ ・フェラ ■実用関係(コメント) クロハネ編が3シーン、シロハネ編が6シーンで、どちらも女性同士の恋愛を中心に語られている為、実用シーンも 百合の割合が多いですが、複数のカップルが誕生するシナリオなので全部ではありません。 実用シーン関わらず顔の表情以外CGに差分がほとんどないのですが、なにをやっているかをテキストに頼ってしま っているので、シーン中だけでも動かして欲しかったです。 興味の湧かなシチュエーションは飛ばし読みしたりすることもあるのですが、何も出来ないもののオートで眺めて いましたし、これはこれで結構楽しめました。 互いの距離が近くなっていく様子を感られたのが好感です。 |
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【総評】 | 【評価】: 88 点 | ||
一番の印象は出来上がった”雰囲気”で、グラフィックと音楽とキャラ、そして演出が一体となって カタハネの世界を作り上げています。 その中にシナリオが入り込めなかったは未完成のように感じるからで、シナリオの高得点は「クリスティナ姫と エファの恋」と「アンジェリナとベルの恋」の配点が大きいです。 綺麗にじっくり描かれているので、急がずゆっくり育つ恋が好きな方には好感をもてる内容ではないでしょうか。 本当はそれについて感想を書きたかったのですが、いざ何を感じたのか考えても余り浮かんでこないんですよね。 感想が浮かばないのは、百合が中心でさらに非学園ものであることもありそうです。 再度プレイすれば新たに気づくところも多い作品だと思いますし、またの機会に書きたいと思います。 さらに工夫は欲しかったかも知れませんがシナリオの大筋は面白いので、終盤の劇そのものに力を入れて、 アフターストーリーを少しでも作って欲しかったです。 その後の話は大体予想が出来てしまいますが、ベタでもシナリオ全体が締まると思いますし、非常にハッピーな 物語をさらに強く感じれたのではないでしょうか。 子供たちが世界をどのように変えていくのか、続きが見たい作品でした。 群像劇&百合という強い癖を感じる方も多いようですが、未完成ながらも中盤からは引きつけられる場面も多いので シナリオそのものに興味を持たれた方にもお勧めできます。 ところで、クリスティナ姫の衣装がアンジェリナよりもワカバの方が似合うと感じたのは僕だけでしょうか? |